○西会津町議会ハラスメント防止条例

令和7年3月24日

条例第12号

(前文)

議員は町民の負託を受けた代表者であることから,町政に携わる機能と責務を深く自覚し,地方自治の本旨を体するとともに,住民全体の奉仕者として福祉向上に努めなければならない。

ハラスメントは,基本的人権及び個人の尊厳を著しく傷つけ,住民福祉及び議会活動に支障をきたし,議会の基本的信用及び信頼を失うことにつながる人権侵害である。

西会津町議会は,議員及び議会としての役割を十分発揮するため,互いに人格を尊重し,相互信頼を深めることを通してハラスメントの防止に努め,信頼される議会の実現を目指すことを決意し,この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は,西会津町議会議員(以下「議員」という。)間のハラスメント及び議員と職員とのハラスメントを防止するための措置を講じ,全ての議員及び職員が個人としての尊厳を尊重され,良好な勤務環境を確保することで町政の効率的運用に寄与し,もつて信頼される議会の実現に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「ハラスメント」とは,次の各号に掲げるものをいう。

(1) パワーハラスメント 職務に関して優越的な関係を背景として行われる言動であつて,業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより,相手方に対して精神的若しくは身体的な苦痛を与え,人格若しくは尊厳を害し,又は当該相手方の勤務環境を害する行為をいう。

(2) セクシャルハラスメント 異性,同性を問わず,性的な言動により相手方に対して不快感を与える行為又はその行為によりその者の勤務環境を害し,勤務条件に不利益を与えることとなる行為をいう。

(3) 妊娠,出産,育児又は介護に関するハラスメント 妊娠,出産,育児又は介護に起因することにより勤務することができないこと等を理由とする言動又は制度,措置の利用に関する言動によりその者の勤務環境が害される行為をいう。

(4) その他のハラスメント 前3号に掲げるもののほか,誹謗,中傷,風評等により相手方に対して人権を侵害し,又は不快にさせる行為をいう。

2 この条例において「職員」とは,地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員並びに同条第3項第1号,第2号,第3号,第3号の2及び第5号に規定する特別職に属する職員(議員を除く。)及び同法第22条の2第1項に規定する会計年度任用職員をいう。

(議長の責務)

第3条 議長は,ハラスメントの防止及び根絶に努めるとともに,ハラスメントがあると認めるときは,迅速かつ適切に必要な措置を講じなければならない。

(議員の責務)

第4条 議員は,町民の代表者として,町政に携わる権能及び責務を自覚するとともに,常に高い倫理意識を持ち,ハラスメントが個人の尊厳を不当に傷つけ,人権侵害に当たること及び職員の労働意欲を低下させることを自覚認識し,議員間又は職員の人格を尊重してハラスメントをしてはならない。

2 議員は,議員によるハラスメントがあると疑われたときは,自ら誠実な態度をもつて疑惑の解明にあたるとともに,その責任を明確にしなければならない。

3 議員は,ハラスメントがあると疑われる事態に遭遇したときは,当該議員に対し厳に慎むべき旨を指摘し,解決するよう努めるとともに,議長に当該事態について報告しなければならない。

(調査及び研修等)

第5条 議長は,議員によるハラスメントの根絶及び防止を図るため,必要に応じて実態を把握するための調査を実施するとともに,議員に対し必要な研修等を実施しなければならない。

(相談窓口の設置)

第6条 議長は,ハラスメントに関する申出及び相談に対応し苦情等の円滑かつ公正な解決を図るため,議会事務局内にハラスメント相談窓口を置くものとする。

(事実確認等)

第7条 議長は,前条の規定により,ハラスメントに関する申出があつたときは,必要に応じて申出者,当事者又は関係者等に対して事情聴取及び事実確認を行い,公正で客観的な立場から問題の処理及び解決を図らなければならない。

2 前項の規定により,申出又は報告をされたときは,議長は議会運営委員会に付託しハラスメントに係る事実関係の調査及び確認を行うものとする。

(公表等)

第8条 議長は,前条第2項に規定する議会運営委員会の調査の結果を尊重し,議員によるハラスメントを確認したときは,当該議員に対して指導,助言,注意又は氏名の公表等の必要な措置を講じなければならない。

2 議長は,前条の事実確認等の結果,職員による議員へのハラスメントを確認したときは,町に対し当該職員への指導,助言,注意その他改善のために必要な措置を講じることを求めるものとする。

(議長職務の代行)

第9条 議長が調査の対象となつたときは副議長が,議長及び副議長が共に調査の対象になつたときは年長の議員が,この条例に規定する議長の職務を行う。

(被害者等のプライバシーの保護)

第10条 議員は,ハラスメントによる被害者及び関係者のプライバシー保護に十分配慮し,職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(委任)

第11条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,議長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は,公布の日から施行する。

(検討)

2 議会は,この条例の施行後3年を目途として,この条例の施行の状況について検討を加え,必要があると認めるときは,その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

西会津町議会ハラスメント防止条例

令和7年3月24日 条例第12号

(令和7年3月24日施行)